◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(39)=10月16日付=

「家族に迷惑をかけずに」「認知症にならずに」人生を終えたいという希望は、誰しもが持つものです。平成30年版高齢社会白書によると、自分が介護が必要になった場合、自宅で介護を受けたい人の割合は73.5%でした。

私の両親はすでに他界していますが、夫の両親は夫婦2人でなんとかささえ合い生活しています。「子どもたちに迷惑をかけず、せめて2人で生活できる間は自宅で過ごしたい」とかねてより言っています。

お客さまとの会話や、同世代の友人たちとの会話でも、高齢の親は子のことを思い、子世代は離れて生活する高齢の親に一緒に生活できないことを少し申し訳なく思っています。親が元気でいてくれることに感謝しつつ、お互いがそれぞれの日常を送っていることが伺えます。

エンディングノートには、介護についての希望を書く項目があります。ご自分が介護が必要となった場合、どこで、誰に介護を受けたいか、その際の費用はどのように用立てるのかなどについて書きます。なぜそのように望むのか、介護を頼みたい家族やお世話になりたい人と一緒に考えていただくことが、何より大切だと思います。

一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)代表理事・秋山貴子