新潟日報「幸せフィナーレへ」⑤=5月30日付=

エンディングノートには「書かなければいけないこと」や「これは書いてはいけない」といった決まり事はありません。また、書く順番も決まっていません。ご自分の書きたいように自由に書いてみましょう。

ただ、一般的なエンディングノートには「書いておくといいですよ」という目安の項目があります。それを利用してもいいですね。書きたくないところや、今はまだ書けない項目は、後で書きたくなった時で構いません。

白紙のページに対してはよく、「何を書いていいか分からない」「書くことがない」という声も頂きます。自由なページって困りますよね。でも、そんなページこそ活用してみてはいかがでしょう。例えば、「これからやりたいこと」「家族や大切な人、ペットとの思い出」「家訓」「わが家の味」などを書くと、大切な財産になります。

私は、子どものころに亡くなった祖母が作ってくれたいなりずしの味が、今でも忘れられません。母に作り方を聞いて作ってみたのですが、やっぱりあの味は出せません。「作り方を書いておいてくれていたらなぁ」と今でも思います。大切な思い出の味です。ご自分が大切に思っていることを、ぜひ白紙のページに書いてみてください。

一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)理事・谷内田真実