◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(26)=4月10日付=

葬儀費用の全国平均は「250万円」前後と言われています。斎場費用から、飲食接待、宗教者への支払い…。近年、その費用を見直し、金額が抑えられる傾向にあるようです。近親者だけの「家族葬」や「密葬」、さらには儀式を全く行わず火葬のみの「直葬」と、選択の幅は広がってきています。

残される方になるべく負担をかけないように、「葬式は、簡単なものでいい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。確かに遺族の費用負担は大きなものでしょう。しかし、「安くすめばいい」というものでもなさそうです。

「儀式がなかったので、うまくお別れができずに悲しみだけが残った」というケースもあります。私の知人は「隣のおじいちゃんが亡くなったのだが、家族葬ということでお別れをする機会がなかった」と残念がっていました。

時代の変化に伴って、葬儀や埋葬の形も変わっていくことでしょう。自身の最期をしっかりと考えておくことが重要です。(※このあたり、少し25回目と重複する部分もあり削りました)そして、託したい家族などに、どんなお別れの過ごし方をしてほしいかなどの希望を伝えておくことも必要です。それが残された方が悔いなくお別れをするためにもなるのですから。

一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)理事・榎田雄一