◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(22)=2月13日付=

立春が過ぎて、厳しい冬もやがて終わりが来るでしょう。先日の立春の日に、私が生まれた祝いに祖父母が用意してくれたお雛(ひな)さまを飾りました。小さなころは母の手で実家に飾られ、結婚とともにお雛さまも私のところへ来ました。すっかりあちこち傷んだお道具もありますが、同じ年月を刻んだお雛さまとの1年ぶりの再会はうれしいものです。

今はインターネットを利用して、即座に離れた家族と交流ができます。飾ったお雛さまの画像を娘に送ると、烏帽子(えぼし)などの装飾品を省いたことを指摘される始末。家族と遠く離れていて、日常的に交流ができない場合などに、インターネットを通じて元気でいることの確認を日常的にされている方もいらっしゃることでしょう。

そうした便利な道具とエンディングノートを併用して、お金や不動産などの財産はもとより、それ以外の大切な物と思いについて、託したい人に伝えていきましょう。
日常の会話が何よりですが、私たちの日常は思いのほか慌ただしいものです。毎日の繰り返しの先にある万一のときに慌てないように、日頃の心がけと準備をできるところから始めましょう。

一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)代表理事・秋山貴子