◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(21)=1月30日付=

新潟市は例年にない大雪に見舞われ、市民生活にさまざまな影響を及ぼしました。一人暮らしの方の中には、除雪作業ができず、不安な日々を過ごした方もいらっしゃったのではないでしょうか。雪国の習慣で、自分のお隣の少し先まで除雪をする、高齢の一人暮らしの方のご自宅は、ついでに雪かきをさっとしておく、そうした気遣いがあちこちで見受けられました。

実家の周りは1人暮らしの高齢者ばかりになった、というお話を耳にします。2017年版高齢社会白書でも、高齢者の1人暮らしが増加傾向にあることを示しています。15年には男性が約192万人、女性は約400万人で割合は男性が13・3%、女性が21・1%です。

はまなすが見守り契約をしているお客さまの中には、おひとりで生活されている方もいます。ごみ出しや除雪など、元気なら当たり前にできることでも、いざ困った時に、周りの人や地域社会に援助を求めやすい仕組みづくりが必要と考えています。災害などの緊急時には、隣近所や地域のつながりがとても大切です。元気な時は何かと煩わしさを感じる関係性も、緩やかにつながっていることでお互いが助け合える。一人暮らしを元気で過ごすには、血縁以外の新しい関係づくりも大切ですね。

一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)代表理事・秋山貴子