◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(37)=9月11日付=

福島県のある町で「母から子への手紙」という心の手紙コンテストが行われています。わが子への思いを見つめ直し、わが子に伝えたい思いを書きましょう、という内容です。今年で17回目で、400文字以内で思いを伝えます。

子どもに限らず、大切な人に400文字でどれだけの思いを凝縮して伝えることができるでしょう。メールや会員制交流サイト(SNS)で手軽に意思疎通ができる世の中ですが、手紙という少し手間のかかるものをあえて選び、言葉を選んで相手に思いを伝える。そういう時間を持つことは、気持ちの整理をする時間にもなると思います。

エンディングノートには、自由に記述できるページがあるものもあります。手紙にしたためておくのも良いですし、こうしたページを利用するのもいい方法です。ご自身の現在、過去、これからの未来、財産の分け方、介護や医療、葬儀の希望などの他に、大切な人に伝えたい思いをぜひ書いていただきたいと思います。短くても構いません。一番伝えたい思いを、相手を思い浮かべて書いてみましょう。きっとその言葉は、あなたが思う大切な誰かを、ずっと支えていくものになると思うのです。

一般社団法人はまなす 代表理事 秋山貴子