◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(32)=7月3日付=

エンディングノートには、自分が意思を伝えられなくなった時に備え、どのような治療を望むか、介護を受ける場合にはどこでどのような介護を望むかなどを記載する項目があります。

「今は元気だから、そんなこと考えるのはまだ先でいい」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、医療や介護は、元気な今だからこそ考えてほしいと思います。延命治療や終末医療の範囲について、ご本人の意思確認ができない場合、その選択を迫られるのはご家族やご親族になります。実際、医療機関から選択を迫られた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

意識のない本人に代わって、選択し、決断するというのは、とても悩み迷うでしょう。「この判断で良かったのだろうか」と後悔することも考えられます。そんな時、エンディングノートがあると、ご家族の負担を減らす手助けができます。

また、元気なうちにという点も大事なポイントです。大きな病気にかかってから考えると、これからのことを考える心の余裕がなくなってしまいます。エンディングノートへ希望を書いて、もしもの時の準備を習慣化しましょう。

一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)理事・谷内田 真実