◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(42)=11月27日付=

最期をどこでどのように迎えるか、というお話の続きです。

自宅で最期を迎えたいというご希望でも、介護をする家族が親がつらいのを見ていられない、本人がつらく不安になり緊急入院して結局医療機関で亡くなる、というケースが多いそうです。

自分は「胃ろうは希望しない」「痛みをとる治療だけでいい」と納得していていても、家族の思いは違うかもしれません。大切な人には少しでも長く生きていてほしいという願いが、医療の決断を迫られた時、本人の希望と相反する可能性があります。やはり、意識がしっかりしている段階で、本人と家族が十分に話を重ねることが大切です。介護する家族の覚悟も必要になります。

どのような介護やみとりをしても、残された者には悔いが残るものです。あのみとり方でよかったのか。最後に聞いておきたかったこと、伝えたかったことはなんだったのか。そういう思いが出てきます。誰もが残された側から残す側になります。「望ましい最期」について考え、それを支えてくれる方に伝えましょう。エンディングノートに記している方は、伝えることも忘れないでください。

一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)代表理事・秋山 貴子