◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(30)=6月5日付=
将来ご自身の相続が起きたとき、残された人にできるだけ気持ちよく財産を引き継いでもらうためには、どうすればよいのでしょう。残念ながら、残された親族が遺産をめぐって争う、「相続」が「争族」になってしまうことがあります。
「争族」をできる限り回避するために効果のある手段として、生前にご自身の意思表示をしておきましょう。その一つが遺言書の作成です。遺言書は公証役場で作る「公正証書遺言」や自分で作る「自筆証書遺言」があります。
遺言書にはどの財産をどなたに残すかだけでなく、なぜそのように残したいかという理由も書き、残された人にご自身の思いを知ってもらいましょう。このとき、できれば残される人たちの各自の遺留分(法律上財産を相続できる人が主張できる、最低限の遺産取得分)にも配慮し、無用な争いを避けたいところです。また、生前贈与を計画的に行うことも考えられます。
そうした対策と共に、やはり、生前からご家族など周りの方とコミュニケーションをとっておくことも非常に大事なことです。
残された人に、気持ちよく財産を引き継いでもらうために、今のうちにどんなことができるか、一度検討してみませんか。
一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)理事・饒村悠子