◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(29)=5月22日付=

エンディングノートには、ご自分の財産について書くページがあります。財産には、預貯金・株券・不動産・宝飾品・絵画等の美術品・生命保険など、プラスの財産の他に、借金や保証債務などマイナスの財産も含まれます。ペットを飼っている方は、ペットの託し先も大切です。これくらいという感覚はお持ちでも、一度ご自分の財産を把握し、整理する作業をしてみてはいかがでしょう。それも大切な終活の一つと思います。

また、ご自分が今後生きていくうえで必要な部分と、大切な方に残したいものを考えてみましょう。生涯独身、配偶者との別れを経験するなど、誰もがひとりになる可能性があります。終活を節税や相続税対策とだけ捉えるのではなく、むしろ、ご自分のこれから先の人生を豊かに生き生きと過ごすための準備と考えましょう。もちろん、日頃からご自分の万一に備えて、資金だけではなく人脈作りも大切です。

なにより、残したい方にどの財産をどのように引き継ぐか、という対策ができるのはご自分が生きている間です。ぜひ、思いのこもった相続対策としての終活に取り組んでみてはいかがでしょう。

一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)代表理事・秋山貴子