◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(10)=8月15日付=

今日は終戦記念日。そしてお盆です。故郷に帰って来て、または家族を迎えてのひとときに、このコラムをお読みいただいている方もいらっしゃるでしょう。

先回はメモリアルフォト(生前遺影)の話でしたが、その後、撮影の機会があった方はいらっしゃいますか。

私どもがお世話になっているYさんが、メモリアルフォトのメークをされるようになったのは、お母様の一言がきっかけだったそうです。「せっかくメークのプロなんだから、私をきれいにして写真を撮って」と。

以前にも紹介しましたが、私の母の遺影は、家族にほほ笑みかけている笑顔そのままです。その隣には、仲良しだった妹との写真、そして夫の兄の写真、父や祖母…。生きている時は「家族・親戚」でしたが、今はもう「ご先祖様」になった、大好きだった人たちの遺影です。目にしていると、口調までもが思い出されます。不思議ですね。

過ぎた時間は戻せませんが、まだ語る相手がいるうちに、語る時間がある時に、少しでも思いを伝えてみませんか。聞いてみたいことを聞いてみませんか。忙しい日常のほんの何日か何時間か、そんな時を過ごすのも大切かもしれません。「終活」って日常の積み重ねですね。

次回からはペットとの終活をテーマにしたいと思います。

一般社団法人はまなす 代表理事 秋山貴子