新潟日報「幸せフィナーレへ」(7)=6月27日付=

「遺影はどうしますか」

「おじいちゃんの遺影を探すのに、気に入った写真がなかなかなくて苦労した」といったお話を聞くことがあります。一方で「生前に撮影をして、親しい人に写真を託してあります」という方もいらっしゃいます。

私の父の遺影は、おそらく、お祝いの席の集合写真を合成したものと思います。もう40年以上も前のことです。一方、母の遺影は、いつも私たち家族にほほ笑んでいた笑顔のままのものです。亡くなってから、家族で数枚に絞った中から、息子がその笑顔の写真を選びました。いつものおばあちゃんの笑顔だからと―。

遺影の意味は、残されたご遺族にとってさまざまでしょう。遺影を選ぶとき、きっとその人柄をしのび、その写真を撮ったときの思い出を語り、そして、その遺影とともに長い時間を刻んでいくのです。

生前に撮影するのでしたら、親しい方とご一緒に撮るのも良し、プロの写真館で撮るのも良し。撮影したらぜひ、エンディングノートに記しておくか、挟んでおいてもいいですね。

次回は、実際に生前に遺影を撮影した現場の声をちょっとお届けしましょう。お楽しみに。

 一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)代表理事・秋山貴子