◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(18)=12月12日付=

持ち主が生きている間は、命が吹き込まれていたものも、持ち主が亡くなると「遺品」となります。母を見送った後、残された私たち遺族は、母が生前使っていたものを「形見分けするもの」「捨てるもの」というように整理・片付けをしていきました。母の子ども時代の白黒の写真、思い出いっぱいの品々も、すべてを引き継ぐわけにはいかないものです。

遺品を整理する気持ちになるには、ある程度の時間が必要な場合もあるでしょう。また、お客さまの遺品整理の場に同席することもありましたが、膨大な遺品の整理・処分に困惑する姿もありました。
遺品整理に取り組んでいる企業の担当者は「亡くなった方の思い出の品々を、供養の観点も踏まえて、残すべき遺品はご遺族の方へお渡しします」「ご遺族は、遺品整理を通して、新たな一歩を踏みだせる」などと、おっしゃっていました。

遺品は、ご遺族のその後を支える大切なものである一方、残された方が整理と片付けに困らないよう、あらかじめできる整理整頓を心がけておくことも大切な終活だと思います。次回は実家の片付けについてです。

一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)代表理事・秋山貴子