◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(16)=11月14日付=

宝物とそうでないもの、思い出と伝え続けていくものの区別。残すべきものと残す方法を見つける。これがうまくできればきっと困らないだろうなということを分かっているけれど、日常の慌ただしさに紛れて、つい後回しに。誰しも、そんな経験をお持ちだと思います。

片付けは、単に捨てるということではありません。整理整頓して、残すものと自分で始末をつけるものに分ける作業であると思います。

夫の両親は2人とも元気なうちは、このまま自宅で過ごしたいという希望を持っています。そのために、母は少しずつ片付け、整理整頓を始めています。急な入院や災害に備え、持ち出す荷物をまとめ、大事なもののしまい場所を伝え、それをエンディングノートに記してあります。

自分らしく生きるために、誰とどこでどのように暮らしていくかを考えると、必然と高齢になっても安心して安全に暮らすには何をしておくとよいか、ということに至るのだと思います。その延長に、生前の片付けがあるのではないでしょうか。次回は豊かな人生を送るため、年齢に関係なく今できる片付けについて具体的に書いていきます。

 

一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)代表理事・秋山貴子