◇新潟日報「幸せフィナーレへ」(9)=8月1日付=

先回に続き、メモリアルフォト(生前遺影)についてです。先回のメークに引き続き、今回は写真撮影です。

皆さん、メークで気持ちはとても幸せでも、レンズの前に立つと表情が硬く、ポーズもどこかぎこちなくなりがちです。プロのカメラマンIさんは、そんな緊張をほぐし、すてきな表情をいくつも引き出して写真撮影をしていきます。

先日、テレビで夫が妻の遺影用の写真を撮る番組を見ました。元カメラマンの夫から妻への最後のプレゼントのようです。レンズを通して、撮る側と撮られる側の心が通い合って、初めて「その方らしさ」が写真として完成するのでしょうね。

メモリアルフォトは、お一人での撮影だけではなく、ご夫婦やお友達、ご家族がそろった記念に、また大切な方やペットと一緒に撮影というのもすてきだと思います。撮影する日も記念日はもちろん、なんでもない日常をメモリアルな一日に変えることもできます。ご自分の好きな季節に、好きな場所で撮影するのもいいでしょうね。

ぜひ、今のご自分を写真に残してみませんか。

出来上がった写真は、メークで引き出された「私らしさ」が満ちあふれて、お客さまが撮影に入る前よりもきらきらと輝いていました。

出来上がった写真は、エンディングノートと共に、大切な方に託しましょう。

 

一般社団法人「はまなす」(新潟市中央区)代表理事・秋山貴子